先手角交換型四間飛車(KK4)、後手居飛車急戦です。
振り飛車は、KK4からの向飛車棒銀がよくある戦略だと思います。
が、これが結構厄介で、居飛車党としては対策に苦慮されている方が多いのではないでしょうか。
図は32手目、△4四角打まで。
私の場合は、飛車先不突腰掛け銀で迎撃するようにしています。
具体的には、8三歩、8一飛、7三桂、7二金、5四銀、4四角型を目指します。
囲いは、理想は銀冠を目指したいのですが、手数がかかるのと、陣形がより左右分裂型になり、中央が薄くなるので、一長一短だと思います。
大体、飛車先を保留することで手数を稼げるので、この形に組ませてもらえることが多いです。
そして実は、この局面は、居飛車作戦勝ち(少し大げさですが…)です。
本譜の場合は、さらに相手左金が5八金型(通常は7八金型)なので、端の突き越されのマイナスを考慮しても、居飛車側が指しやすいと思います。
攻め筋ですが、角筋を活かして、相手飛車を虐めるようにするのが分かり易いかと。
あとは、タイミングよく△6一飛と回り、右四間飛車の攻め筋を応用する感じで組み立てていけば、角、銀、桂をさばいて、相手陣に飛車(竜)を降ろせる展開に出来ると思います。
さて、局面をリードして、迎えた終盤戦のポイントの場面です。
69手目、▲4八飛まで。
ここは、手が広そうな局面ですね。
みなさんならどう指しますか?少し考えてみてください。
手の流れからは、△4九角成ですよね。
実際、この手が最善手のようですが、相手に角を渡すことになるので、緩まず確実に決めに行かないと、反発が少し怖いですよね。
△6七成桂はどうでしょうか。
確実な攻めですが、この瞬間、竜の自陣への効きを遮断してしまうのと、角切りの強襲の筋も消してしまうので、指しにくくないでしょうか。
では、△3五桂打ならどうですか。
筋は良い手ですよね。
2六歩型を咎めています。
また、最終盤の寄せを見据えていますが、今すぐは玉頭へ打ちこむ駒がなく、逆に▲3六歩と攻めをせかされると、かなり忙しくなりそうです。
そこで、私は△2四桂打を選択しました。
居振り対抗型の必修手筋ですよね。
端攻めや、二段桂など、かなり多くの含みを持った味わい深い手になる可能性が高い筋です。
逆に欠点は、自玉の逃げ道を狭くしてしまうのと、▲25歩とせかされると、決め切らないといけないので、忙しくなります。
本譜の場合は、直接的には△1七歩成からの端攻めを手厚くしています。
また間接的には、相手玉の3六からの逃げ道を塞いで、相手玉を縛り付けています。
そして、狙い通り、最終盤で良い働きをしてくれることになりました。
指し手は進み、最終盤での次の一手問題です。
図は、77手目の▲7三歩成まで。
直線的に詰みまで読み切ってください。
ヒント: 手筋の捨て駒が出てきます。
一見すると、直接王手の△3八成桂と行きたくなりますが、美濃囲いで3八の銀を取る手は大体良くないことが多いです。
美濃囲いの最大の欠点である、2八への利きがないという弱点を消してしまうからです。
本譜の場合も、▲3八同金となると、飛車の横利きもあり、玉形が相当引き締まってしまいます。
攻めの拠点の一つを失う味消しをした割には、相手玉は薄くなっていません。
逆に堅くなっている可能性まであります。
正着は、△4九角成です。
大駒(飛、角)を渡す手は、必ず読みを深くして、どの変化になっても、落とし穴(玉の逃げ道、攻め手の切れ筋、など)がないか、きっちり確認できたときに指すようにすると良いと思います。
図は、変化手順の一つですが、△2七銀と捨て駒をした局面。
玉を浮かせて、桂取りに△2九竜と追撃する手筋です。
このとき、2四の桂が良い仕事をしているのを確認できます。
で、実戦はと言うと、△6八歩…。(自陣に余裕があり、時間もなっかったのョ…)
手筋、格言は、ソフト検討(直接手/直線的)では知ることが難しい、間接手/曲線的な手を学ぶことができますね。
先手:三段
後手:snep
▲7六歩 △3四歩 ▲1六歩 △6二銀 ▲1五歩 △6四歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲6八飛 △3三銀
▲8八銀 △6三銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲3八玉 △3二玉 ▲2八玉 △4二金 ▲3八銀 △7四歩
▲7七銀 △9四歩 ▲6六歩 △7三桂 ▲8八飛 △7二金 ▲8六歩 △8一飛 ▲9六歩 △5四銀
▲5八金左 △4四角 ▲6七金 △6五歩 ▲同 歩 △同 桂 ▲6六銀 △6一飛 ▲5八金 △7五歩
▲同 歩 △6六角 ▲同 金 △7七銀 ▲同 桂 △同桂成 ▲9八飛 △6六飛 ▲7四歩 △6九飛成
▲4八金 △1四歩 ▲同 歩 △1六歩 ▲4九金 △1四香 ▲1五歩 △同 香 ▲2六角 △2五金
▲7三歩成 △同 金 ▲8二角 △7二歩 ▲9一角成 △2六金 ▲同 歩 △7六角 ▲4八飛 △2四桂
▲1八歩 △6七成桂 ▲7四歩 △5七成桂 ▲8八飛 △4七成桂 ▲7三歩成 △6八歩 ▲5九金打 △4九角成
▲同 金 △4八金 ▲8七角 △3八金 ▲同 金 △同成桂 ▲同 玉 △5八龍
まで88手で後手の勝ち
変化:78手
△4九角成 ▲同 銀 △同 龍 ▲3九金 △3八金 ▲2七玉 △3七金 ▲同 桂 △3六銀 ▲2八玉
△3七銀成 ▲2九玉 △3九龍 ▲同 玉 △3八金 ▲同 飛 △同成桂
変化:83手
▲同 金 △同成桂 ▲同 飛 △2七銀 ▲同 玉 △2九龍 ▲2八金 △3五桂
変化:83手
▲同 飛 △同成桂 ▲同 金 △2七銀 ▲同 金 △4八飛
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